南ア地方議会選、与党ANCが主要都市で歴史的敗北
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【8月7日 AFP】南アフリカの地方議会選は、首都プレトリア(Pretoria)を含むツワネ(Tshwane)首都圏で、与党のアフリカ民族会議(ANC)が最大野党の民主同盟(DA)に歴史的な敗北を喫した。選挙管理委員会が6日発表した。
最終開票結果によると、ツワネ首都圏ではDAの得票率が43.1%だったのに対して、ANCは41.2%にとどまり、22年前のアパルトヘイト廃止以来最大の退潮となった。
ANCの得票率は商都ヨハネスブルク(Johannesburg)でも44.5%と過半を割り込んだため、他党との連立を模索せざるを得ない状況になった。
今回の選挙結果は、かつて反アパルトヘイト闘争を主導したANCの支持率低下を浮き彫りにしている。独立系政治アナリストのラルフ・マテクガ(Ralph Mathekga)氏は、ANCの退潮が「誰もが予想した以上に一気に、激しく発生した。誰にとっても予想を超える衝撃だった」と述べた。
ANCは国政レベルで第1党を維持しているものの、支持率は2011年の53.9%から8ポイント低下している。
DAのミュシ・マイマネ(Mmusi Maimane)党首は、党にとって画期的だとして選挙結果を歓迎。「これは南ア国民にとって転機だ」とした上で、「われわれが野党にとどまらず、与党にもなれることを示している」と述べた。
DAはポートエリザベス(Port Elizabeth)とプレトリアで堅調な得票率を記録したものの、連立相手を必要としている。アナリストのダニエル・シルケ(Daniel Silke)氏はAFPに対し、この点がネックになると指摘した。
連立相手となりそうな政党の一つは、急進左派の「経済的解放の闘士」(EFF)だ。元ANCのジュリアス・マレマ(Julius Malema)氏が党首を務めるEFFは、得票率がプレトリアで約8%、ヨハネスブルクでは10%超に上った。
ただ、シルケ氏は「EFFがDAにとって最良の連立相手だとは思わない。EFFはあらゆる課題に対して正反対の立場を取っているため、連立が不安定化する恐れがある」と述べた。(c)AFP