【8月9日AFP】リオデジャネイロ五輪に出場している競泳男子のマイケル・フェルプス(Michael Phelps、米国)の体に、まるで血に飢えた吸血鬼に襲われたかのように、紫色の不気味な腫れものができていると話題になっている。

 フェルプスの体に出現した巨大なキスマークのような腫れは、古代中国の時代から行われている「カッピング(吸角法)」と呼ばれる治療法でできたもので、血行改善や体力促進に役立つ健康療法としてセレブの間でも流行した。

 フェルプスは8日に行われた男子200メートルバタフライの予選後に、「以前から受けていた治療だけど、こんなふうに腫れが残っているのは久々だ」と明かすと、患部の右肩をこすりながら、「ここが、いつも一番痛むところなんだ」とコメントした。

「これまで何度も試合の時にはやっていたことなんだ。凝りがあったので昨日少しカッピングしてもらいに行ったら、トレーナーに強くやられて、いくつか痕が残ってしまったんだよ」

 スポーツ界にドーピングの悪影響が及ぼしている現在、数千年の歴史があるこの吸引療法は、合法的な民間療法となっている。

 米国水泳チームのコーチは、「ステーキの付け合わせみたいだ。マイク(フェルプス)の姿はまるでダルメシアンが歩いてるみたいだけど、治療ではいつものことにすぎない」と説明した。

■セレブにも人気のカッピング

 セレブの間でも流行しているカッピングだが、グウィネス・パルトロウ(Gwyneth Paltrow)やヴィクトリア・ベッカム(Victoria Beckham)、そしてジェニファー・アニストン(Jennifer Aniston)らの体にはくっきりと痕が残っているという。

 五輪史上最も輝かしい成績を残しているフェルプスは、この治療法について体調管理に役立てるためだと強調している。

 フェルプスの治療が許されている世界で4人しかいないカイロプラクターの一人は、「テントを想像してみてください。一部のひもをきつく張りすぎると曲がってしまい、全体の機能に影響します」と説明。さらに、「選手の筋肉は張りが完全な状態でなければなりません。片方だけ張り詰めていたら、神経学的にほかの筋肉も燃焼しなくなってしまうのです」とつけ加えた。(c)AFP/Alastair HIMMER