【8月14日 AFP】リオデジャネイロ五輪は13日、競泳4種目の決勝が行われ、米国のマイケル・フェルプス(Michael Phelps)が男子4×100メートルメドレーリレーで五輪通算23個目の金メダルを獲得し、スポーツ史に残る偉大な現役生活に幕を下ろした。

 2位以下を大きく引き離す五輪史上最多の金メダルに彩られてきた男は、最後のレースでもチームを優勝へ導く劇的な泳ぎを見せ、自身5度目にして最後の五輪を金メダル5個、銀メダル1個で締めくくった。

 レースは、フェルプスに有終の美を飾らせまいとするアダム・ピーティ(Adam Peaty)の奮闘で英国がいったんはトップに立ったものの、第3泳者のバタフライに登場したフェルプスがいまだ衰えない爆発的な泳ぎで再びトップを奪い返し、そのまま優勝を飾った。

 米国は、直前の女子4×100メートルメドレーリレーでも金メダルを獲得しており、米国オリンピック委員会(USOC)によれば、これが1896年のアテネ五輪でジェームズ・コノリー(James Connolly)氏が三段跳びの金メダルを獲得して以来、米国として通算1000個目の夏季五輪の金メダルという記念すべき記録だったのだが、31歳のフェルプスが最後のレースで金メダルを獲得したことばかりが脚光を浴び、すっかり印象が薄くなってしまった。

 レースは英国が銀メダルを、オーストラリアが銅メダルを獲得したが、彼らにとっては、フェルプスと最後のレースをともにしたという記憶の方が、獲得したメダルよりも長く輝き続けることだろう。

 女子のメドレーリレーでは、一時ロシアにリードを奪われるなど苦戦を強いられたが、それでも2015年の世界水泳選手権(16th FINA World Championships)でメダルを逃していたチームが歴史に名を刻んでいる。銀メダルはオーストラリアが、銅メダルは欧州記録を出したデンマークが獲得した。

 女子50メートル自由形は、デンマークのペニレ・ブルム(Pernille Blume)が制し、オーストラリアのケイト・キャンベル(Cate Campbell)は100メートルに続いて失意のメダル圏外に終わった。

 ブルムは24秒07をマークし、100メートルで金メダルに躍進したシモーネ・マヌエル(Simone Manuel、米国)を0秒02差で退けた。ロンドン五輪銀メダリストのアリアクサンドラ・ヘラシメニア(Aliaksandra Herasimenia、ベラルーシ)が銅メダルを獲得した。

 男子1500メートル自由形では、前回王者の孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ、中国)が体調不良による予選落ちに終わるなか、世界水泳覇者のグレゴリオ・パルトリニエリ(Gregorio Paltrinieri、イタリア)が金メダルに輝いた。

 ただ一人、格の違いを見せつけたパルトリニエリは、ラスト150メートルまでは孫の世界記録を上回るペースで泳いでいたが、最後は疲れ、14分34秒57と記録更新にはわずかに及ばなかった。

 米国のコナー・イエーガー(Connor Jaeger)が14分39秒48で銀メダルを、パルトリニエリと同じイタリアのガブリエーレ・デッティ(Gabriele Detti)が14分40秒86で銅メダルを獲得した。(c)AFP/Alastair HIMMER