【8月5日 AFP】リオデジャネイロ五輪で英国選手団の旗手を務める男子テニスのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)4日、翌日に迫った開幕式のリハーサルについて、あわや「目を突き刺す」ほどアン王女(Princess Anne)に接近してしまう失態を演じたことを明らかにした。

 五輪で2大会連続の金メダル獲得を目指している29歳のマレーは、英国の旗手を務めることになり、自身のキャリアで最も誇らしいと話した一方 で、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の長女アン王女や、ほかの代表メンバーらと臨んだ3日のリハーサルでは、もっとうまくやれはずだと悔やんだ。

 ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)王者のマレーはこの日、「アン王女の目の前に旗を差し出してしまった」と明かすと、「旗があまりに大きくて、傾けたとたんに誰かの顔を覆ってしまったんだ」と説明した。

「旗の先は大きく鋭くとがっていて、王女は『私の目を差さないように気をつけて』とおっしゃっていた。ご無事であったことを望んでいる。わざとやったのではなく、ただ指示に従っただけなんだ。リハーサルはうまくいかなかったから、本番前にはもう少し練習しておくつもりだ」

 五輪でスコットランド出身の選手が英国の旗手を務めるのは、2012年ロンドン五輪のクリス・ホイ(Chris Hoy)に続き、これで2大会連続となる。

 4年前のロンドン五輪で金メダルを獲得したマレーは、同じ年に全米オープン(The US Open Tennis Championships 2012)でも優勝を果たし、英国人男子選手としては76年ぶりとなる四大大会(グランドスラム)でのタイトルを獲得。マレーはその後、2013年と2016年にウィンブルドンでも優勝している。

 世界ランク2位のマレーは、2日の午後11時15分頃、選手村で眠ろうとしていた矢先に旗手に選ばれたことを聞かされたという。すでにベッドに入っていたマレーは、急いで着替えて階段を駆け下り、マーク・イングランド(Mark England)団長と面会した。

「団長はなぜ僕が旗手にふさわしいと思ったのか話してくれたけれど、言葉を失ったよ」と明かしたマレーは、英国が自分を選んだのは「忍耐力と精神力」が決め手になったと説明した。

「すごく恐れ多い気がしたが、旗手を務めるのはとても光栄なことだ。考えてもいなかったよ。とても大きな責任を背負っているから、これからの10日間は競技でも良いパフォーマンスができることを望んでいる」

「この経験は生涯忘れることはないだろう。すごく刺激になっている」

 5日深夜まで行われる開会式の翌日にはテニス競技が始まるものの、7日にシングルスとダブルスの初戦を迎えるマレーは、何も心配していないと話している。

 一方、ホイは自身のツイッター(Twitter)に「片手で持つことと、支えるベルトがないことを忘れるな」と投稿し、マレーに向けてアドバイスを送った。

「彼は体が大きい。俺は彼ほど力はないけれどうまくやれるよ。俺なら左手を使う。そのほうがうまく見える」

(c)AFP/Dave JAMES