【8月3日 AFP】トルコで軍の一部勢力が先月起こしたクーデター未遂をめぐり、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は2日、「西側諸国はテロとクーデター首謀者らを支持している」と述べ、欧米をこれまでで最も厳しい言葉で非難した。

 エルドアン大統領は首都アンカラ(Ankara)の大統領府で演説し、「残念ながら、西側諸国はテロを支持しており、クーデターを企てた者の味方をしている」と主張。「友人だと思っていた国々」を強く非難した。

 エルドアン大統領はこれまでもクーデターに外国が関わった可能性を示唆していたが、この日は「国外で書かれたクーデターの筋書きを国内にいる者が実行した」と踏み込み、外部勢力の関与をこれまでで最も強く主張した。

 エルドアン大統領がクーデターの首謀者とみなしている米国在住のイスラム指導者フェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)師については、米政府を名指して「戦略的パートナーでありながら、なぜ彼をかくまい続けることができるのか」と厳しく批判した。

 北大西洋条約機構(NATO)の加盟国であるトルコと米国の関係はかねて緊張状態にあったが、トルコの閣僚らからも米政府のクーデター関与を疑う声が出るなど、今回の事件を機にそれに拍車がかかっている。米政府はこうした見方を明確に否定している。

 エルドアン大統領はクーデター未遂を受けて粛正を進めており、政府は2日、アンカラにある軍の主要病院に関して医師を含む職員約100人に逮捕状を出した。同日にはさらに審判らサッカー関係者94人も解任されるなど、その対象はスポーツ界にも広がっている。

 これまでに拘束された人は1万8000人に達しており、国際社会に衝撃を与えている。(c)AFP/Fulya OZERKAN, Stuart WILLIAMS