女性のオーガズムは「進化の遺物」、研究
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■オーガズムに新たな役割?
他の動物にオーガズムがあるかどうかについては、いまだに大部分が謎のままだが、ウサギやネコなど一部の哺乳動物では、雄が雌の排卵を誘発することが知られている。
今から約6000万~6500万年前に生息していた古代の哺乳類の共通祖先では、雌の排卵を誘発するために雄による刺激が必要だったことが研究チームのモデルで示された。
この特性は後の時代になって、一部の種で、現在のヒトにみられるような自然発生的な周期的排卵によって取って代わられた。これは、ヒトが属する霊長類が出現した頃に起きた可能性が高い。
排卵のためにはもはや必要でなくなった後、「女性のオーガズムは人類の系統では進化しなかったが(一雌一雄関係の形成などの)付加的な役割を獲得した可能性がある」と、論文は説明している。
排卵が自然発生的になるにつれて女性性器の配置も変化したと論文は付け加えている。
陰核(クリトリス)の位置は「祖先種では交尾管の内部にあったが、移動した」という。現在でも多くの動物で陰核は交尾管内にあるが、ヒトやサルはそうなっていない。
「このことは、多くの女性が性交中にはオーガズムが得られないが、自慰行為や性交中に陰核を刺激される間にオーガズムに達することができる理由を説明する一助になる可能性がある」と発表文は述べている。(c)AFP