労働組合、原発建設の最終決定遅らせた政府を批判 英国
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【7月30日 AFP】英国の労働組合は29日、英南西部ヒンクリーポイント(Hinkley Point)原発建設プロジェクトの最終決定を遅らせることを決めた政府を批判した。英メディアには英政府の判断は計画の撤回に等しいとする見方もある。
英労働組合「全国都市一般労組(GMB)」のジャスティン・ボーデン(Justin Bowden)エネルギー担当事務局長はヒンクリーポイントC(HPC)原発計画を精査するとしたテリーザ・メイ(Theresa May)首相の判断に「当惑させられた。どうかしている」と強く反発。「計画は何年も遅れてきた。必要なのは決意ある行動だ。ちゅうちょやこれ以上の遅延ではない」と語った。
グレッグ・クラーク(Greg Clark)英ビジネス・エネルギー・産業戦略相は28日、建設計画の細部を検討する時間が必要だとして今秋より前に最終決定することはないと語っていた。
これに対し、英国最大の労働組合ユナイト(Unite)のケビン・コイン(Kevin Coyne)氏は、最終決定を遅らせることで雇用が失われる恐れがあり、経済成長にもマイナスだと述べた。
仏エネルギー大手フランス電力(EDF)は28日、数年におよんだ協議の末にイングランド(England)南西サマセット(Somerset)のヒンクリーポイント原発に欧州加圧水型炉(EPR)2基を建設する180億ポンド(約2兆4300億円)規模のプロジェクトを取締役会が承認したと発表。EDFのジャンベルナール・レビー(Jean-Bernard Levy)最高経営責任者(CEO)は29日の決算発表で「テリーザ・メイ政権からの支援を疑っていない」と語っている。
一方、フランスの複数の労働組合は、EDFグループが財政難に陥る恐れがあるとして改めてプロジェクトに反対する姿勢を示した。(c)AFP