命を救う伝説の薬草探し、公的プロジェクト開始へ インド
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【7月29日 AFP】インド北部のウッタラカンド(Uttarakhand)州が、命を救うと信じられている伝説の薬草を探す巨額の予算を投じたプロジェクトをスタートさせる。
この薬草は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ(Ramayana)」に記されている薬草、サンジーバニー・ブーティ(Sanjeevani Booti)だ。ラーマーヤナの伝説は、猿神のハヌマーン(Hanuman)がラーマ(Rama)神からヒマラヤへ行き、戦で負傷して死の床にある弟ラクシュマン(Laxman)を治癒するという薬草を採ってくるよう命じられたが、その薬草がわからなかったため山を丸ごとを持ち帰ったところ、ラクシュマンは回復したというものだ。
古文書によれば、サンジーバニーはヒマラヤ山脈の高山に自生していて生命回復の効果があるとされ、暗闇で光るという。
ヒマラヤには野生の薬草が多く自生しており、古くは賢者、現代は研究者たちによって、サンジーバニー・ブーティを見つけだす努力が数百年にわたって続けられてきた。だが、サンジーバニーの存在を証明するものはほとんど皆無だ。
このサンジーバニー発見に、ウッタラカンド州が2億5000万ルピー(約3億9000万円)を投じて取り組むことを決めた。同州のスレンドラ・シン・ネギ(Surendra Singh Negi)代替医療相はAFPの取材に「挑戦することが必要。決して無駄にはならない。決意をもって取り組めば必ず発見できる」 と語った。
ネギ氏によると、サンジーバニー探しはヒマラヤの中国国境近くのドローナギリ(Dronagiri)山で行う予定。魔法の薬草が生えているとラーマーヤナに記されている場所だ。専門家らが8月にもサンジーバニー探索プロジェクトを開始するが、中央政府からの助成は得られなかったという。(c)AFP