「全ての米国人の大統領になる」 クリントン氏が指名受諾演説
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【7月29日 AFP】(更新、写真追加)米民主党全国大会は28日、ペンシルベニア(Pennsylvania)州フィラデルフィア(Philadelphia)で4日目の最終日を迎え、党大統領候補に指名されたヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官(68)が指名受諾演説を行って、「全ての米国人」のための大統領になると約束した。
米主要政党では史上初の女性大統領候補となったクリントン氏は、演説の冒頭でまず、民主党の候補指名を争ったバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員の支持者らに語りかけ、「サンダース氏と国内全ての彼の支持者たちに感謝したい。皆さんの声に私が耳を傾けていることを知ってほしい。私たちが目指すところは同じだ」と述べた。
その上で、クリントン氏は「民主党の、共和党の、そして独立系のための大統領になる」「苦しみもがいている人々、努力している人々、成功した人々。私に投票する人々、しない人々。全ての米国人にとっての大統領を目指す」と決意を語った。
1時間に及ぶ演説の中では、米経済を立て直すと約束。「私が大統領として取り組む最も重要な任務は、もっと多くの機会と雇用を創出し、賃金を引き上げることだ」と語り、米経済はまだ十分に機能していないとの見方を示した。
一方、大統領選を戦う共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏については、米国社会を暗く描いて人々を惑わせていると非難。米国を「直す」ことができるのは自分だけだとトランプ氏が主張している点を冷笑し、「私たちを世界のその他の地域から分断し、私たちをも互いに分裂させたがっている。長い道のりをかけ、共和党を(かつての党スローガンである)『モーニング・イン・アメリカ』から、アメリカの真夜中へと導いている。私たちが未来を恐れ、互いを恐れることを望んでいる」と批判した。
演説の間、サンダース氏の支持者などが抗議の声を上げる場面が繰り返しみられたが、そのたびに「ヒラリー、ヒラリー!」の掛け声が起き、抗議をかき消した。(c)AFP