【7月29日 AFP】開幕を来月5日に控えたブラジル・リオデジャネイロ五輪の聖火リレーが27日夜、暴動により一時中断される事態に陥った。国の連帯を深めるはずの儀式が、またしてもトラブルに見舞われた形だ。

 リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)の南郊にある海沿いの観光地アングラドスレイス(Angra dos Reis)を聖火ランナーが走っていた際、公共交通機関の不足と財政破綻寸前のリオデジャネイロ州による給与遅延に抗議する群衆が、リレーの進行を妨害。

 群衆は、ゴム弾や催涙ガスを使用した警察と衝突し、後に排除された。インターネット上に投稿された動画では、聖火ランナーがバスに避難させられる中、「聖火は消された!」と勝ち誇るような叫び声が上がる場面も収められていた。

 五輪運営側が出した声明によると、この騒ぎによって聖火リレーは一時中断したが、現場の安全が確保された後に再開した。

 リオ五輪の聖火リレーではこれまでにも、聖火が数回にわたり消火器やバケツの水で消されそうになった他、ランナーが転倒する、警察のバイクがリレーの一団に突っ込む、聖火が乱入者に奪われそうになる、リレーが政治デモに巻き込まれるなどのトラブルが相次ぎ、ネット上で話題となってきた。

 先月には、リオ五輪のマスコットに選ばれている希少種のジャガーが、聖火関連の式典で逃げ出し、射殺される事態も発生した。(c)AFP/Sebastian Smith