【7月28日 AFP】ブラジル・リオデジャネイロ五輪の選手村には問題が多すぎるとして入村を拒否していたオーストラリアの選手団が26日、「カンガルー」を連れて選手村入りした。

 オーストラリアの選手団は前週、トイレの詰まりや配管の水漏れなど選手村宿泊棟における多数の問題に苦情を呈し、当面の宿泊をボイコットすると表明。24日の開村日の選手村入りを延期していたが、26日にようやくの入村となった。

 この日、豪選手団の第1弾として選手村入りしたホッケー、アーチェリー、体操、射撃競技の選手らをカンガルーとエミューのぬいぐるみが出迎えた。

 豪選手団の選手村入り拒否をめぐっては、リオ五輪に関して数々の弁明に追われてきたリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のエドゥアルド・パエス(Eduardo Paes)市長は「豪選手団の宿泊棟前にカンガルーを置いてアットホームな気分にさせたらどうか」などと発言していたため、ぬいぐるみは市長の発言への当てこすりとみる向きもあったが、豪選手団のメディア責任者、マイク・タンクレッド(Mike Tancred)氏は「2012年のロンドン五輪でも宿舎の前にカンガルーとエミューを用意した。この動物たちはオーストラリアの象徴だ。だから今回も連れてきた」と述べ、一連のトラブルとは無関係だと述べた。

 豪選手団の入村式では、パエス市長が豪選手団のキティ・チラー(Kitty Chiller)団長の頬にキスをして市の鍵を手渡し、「私もこの目で見た。あれは最悪の建物だった」と宿泊棟工事の不手際を謝罪。チラー団長も施設を迅速に修復したブラジル人の「情熱と責任感」をたたえ、カンガルーのぬいぐるみを市長に贈った。

 リオ五輪の選手村については、各国の選手1万9000人が宿泊する31棟のうち約半数が問題を抱えているとされる。(c)AFP