【7月27日 AFP】100年前に比べて平均身長が著しく伸びたのは、女性では韓国人、男性ではイラン人だった──。研究論文が26日に発表された。論文によると、以前は男女ともに平均身長で世界トップクラスだった米国だが、現在はその伸び率が横ばいだという。

 英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)の研究チームは、1914~2014年に、200以上の国と地域の若年成人の身長の推移を調べたデータに基づき調査結果をまとめた。研究結果は、栄養面と環境面の要因が反映されているという。

 科学誌「eLife」発表された論文によると、100年前に世界で最も高身長の男性が多かったのはスカンディナビア(Scandinavia)地域と米国だったが、現在はオランダ、ベルギー、エストニア、ラトビアが上位を占めている。オランダ人男性の平均身長は182.5センチだ。

 女性では現在、身長が最も高いのはラトビアで、平均身長は170センチ。2位以下にはオランダ、エストニア、チェコが続いている。

 一方、平均身長が最も低いのは、男性では東ティモールで160センチ。女性ではグアテマラで、同149センチだった。

 世界的に見ると、身長は伸びている傾向にあるが、サハラ以南のアフリカや北アフリカ、中東の一部の国々ではこの30~40年で平均身長が低くなっている。

 これは、世界の最貧地域の一部と重なり、シエラレオネ、ウガンダ、ルワンダの平均身長はここ数十年で最大5センチ低くなっている。

「今回の研究は、過去1世紀にわたる各国の健康状態について示している」と、研究チームを率いたインペリアル・カレッジ・ロンドン公衆衛生学部のマジド・イザーティ(Majid Ezzati)教授は主張する。