【7月26日 AFP】バングラデシュの警察当局は25日、9歳の少年を空気圧縮機で拷問して殺害した容疑で、紡績工場の幹部らを逮捕した。

 被害者のサガール・バルマンくんは24日夜、首都ダッカ(Dhaka)市内の病院で内臓損傷により死亡した。サガールくんの家族は、工場の8人の従業員がサガールくんの直腸に空気圧縮機のノズルを挿入し、スイッチを入れたと訴えていた。

 ダッカの南に位置する町、ループゴンジ(Rupganj)にある紡績工場は国内最大規模で、サガールくんもそこで働いていた。バングラデシュには児童労働者が数百万人いるとみられ、その多くが危険を伴う労働を強いられている。

「工場の副責任者を逮捕し、事件に関与したとして名前が挙がっている生産部長3人を含むその他の容疑者の行方を捜している」と、ループゴンジ警察のイスマイル・ホサイン(Ismail Hossain)署長はAFPに語った。警察は容疑者を逮捕した数時間後に工場を強制捜査し、27人の児童労働者を保護した。子どもの多くは14歳未満だったという。

 幹部らはサガールくんと同じくこの工場で働いていた父親が、立入禁止区域に入ったことに腹を立てていたと、事件を担当している警部補は語った。

 インドでは昨年8月にも南西部クルナ(Khulna)で13歳の少年が同じように空気圧縮機で拷問・殺害され、子どものための正義を求める抗議行動が起きていた。(c)AFP