マイケル・ジョーダン氏、「銃の暴力」を非難
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【7月26日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)のレジェンド、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏が25日、米国で人種間の緊張を高める要因となっている「銃による暴力」を非難し、問題解決に向けて200万ドル(約2億円)の寄付を表明した。同氏はこれまで、社会問題に対する自身の意見をあまり声高に表明することがなかった。
ジョーダン氏は、米スポーツ専門チャンネルESPNが支援する「theundefeated.com」を通じて公開された手紙で、「わたしは、この国がもっと良い国であるということを知っている。もうこれ以上、沈黙を続けることはできない」と語った。
1991~1998年の間にシカゴ・ブルズ(Chicago Bulls)を6回のリーグ優勝に導いたジョーダン氏だが、現役時代には政治に関する発言を躊躇する姿勢が批判されることもあった。今回は、そうした姿勢を一転させたかたちだ。
警官によるアフリカ系米国人の殺害事件や、警官に対する暴力行為が後を絶たない現状が、ジョーダン氏の社会的立場の表明を後押しした。
ジョーダン氏は、「誇りある米国人として、無分別な暴力で自身の父親を亡くした父親として、また一人の黒人として、警察官により殺害されたアフリカ系米国人に対し深く心を痛めている。そして、卑怯にも警察官を憎しみの標的とし、殺害する行為に怒りを覚える」、「愛する人を失った遺族とともに深く悲しんでいる。私には彼らの痛みがとてもよくわかるから」と手紙につづっている。
ジョーダン氏の父親のジェームズ・ジョーダン(James Jordan)氏は、1993年に高速道路の休息エリアで銃で撃たれて死亡した。ジョーダン氏がブルズを3度目の優勝に導いてから間もなくのことだった。
ジョーダン氏はこの手紙で、警察当局とその管轄内の住民との関係改善に取り組む2団体に、それぞれ100万ドル(約1億円)の寄付を表明している。(c)AFP/Rebecca BRYAN