マヤ文明のピラミッドの下に水路発見、死者の国への通路か
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【7月26日 AFP】メキシコの考古学者らはこのたび、古代マヤ文明の国王の墳墓があるピラミッドの下に水路があることを発見した。この水路は死者の国へと続く象徴的な通路を表していた可能性があるという。
国立人類学歴史学研究所(INAH)の25日の発表によると、水路が発見されたのは、同国南部チアパス(Chiapas)州の古代マヤ都市、パレンケ(Palenque)にある碑銘の神殿(Temple of the Inscriptions)の下。この神殿には7世紀のパカル大王(Pakal the Great)の墳墓がある。
墓碑銘には、死者の国に受け入れられるには、死者はチャク(Chaac)神の水に身を沈めなければならないと書かれている。
INAHによると、この地下水路は、さまざまな水位で多方向に延びており、ピラミッドよりも「かなり以前に」建設されたものだという。発見当時、主要な水路にまだ水の流れがあったことから、水源は天然の湧き水の可能性もある。地下水路の全長や起点となる場所は明らかになっていない。
パレンケの考古学専門家のアルノルド・ゴンザレス(Arnoldo Gonzalez)氏は、水路が給排水施設の一部であった可能性も排除していないが、古代パレンケの住民らが、パカル大王を死者の国の池へと導く通路を作るため、象徴的にこうした水路を設計した可能性も検討しなければならないとしている。
水路は、超音波探知機で発見され、小型車に搭載されたカメラが、巨大な石でできた水路の存在を確認した。(c)AFP