【7月21日 AFP】シリア北部アレッポ(Aleppo)の反体制派武装組織が少年の首をはねて殺害する映像がソーシャルメディアに投稿され、市民や反体制派の間で怒りの声が上がっている。

 19日にソーシャルメディア上で拡散された映像には、アレッポ市内の反体制派支配地域の公道上で、ピックアップトラックの荷台に乗せられた少年が反体制派の武装組織「ヌーレディン・アルジンキ(Nureddin al-Zinki)」の戦闘員に首をはねられる様子が映っている。

 映像の中でヌーレディン・アルジンキは、この少年がシリア政権寄りのパレスチナ人組織「アルクッズ旅団(Al-Quds Brigade)」に所属して戦闘に参加していたと非難。アレッポ北部での戦闘中に捕虜として拘束したと説明していた。

 しかし、アルクッズ旅団は殺害された少年は組織の構成員ではなく、パレスチナ難民の12歳の一般市民だとする声明を発表した。

 ヌーレディン・アルジンキは19日の声明で、少年の殺害を「違反行為」として非難するとともに、組織の方針とは無関係の「個人的なミス」だと弁明。関与した複数の戦闘員の身柄は既に拘束しており、捜査のために司法委員会を設けて、できるだけ早期に評決を下すと説明している。

「こんな子どもを虐殺するなんて。公正な裁きを受けさせるべきだった。政権との捕虜交換だってできた」。市民からは、少年殺害を「憎むべき行為」と非難し、反体制派の名を汚したと批判する声が上がっている。アレッポのモスク(イスラム教の礼拝所)では19日の日没の祈りの集会で、イスラム教指導者が「これは犯罪行為であり、イスラム教で禁じられている」と語った。(c)AFP