【7月20日 AFP】トルコ政府は19日、クーデター未遂後に進めている粛清をさらに強化し、その対象を学校や報道機関にまで広げた。政府が事件の黒幕とみなす米在住のイスラム教指導者、フェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)師の支持者らの一掃に向けた決意の表れとみられる。15日の事件発生後、拘束された軍や警察、司法関係者らは9000人近くに達しており、国際社会は政府による報復行為を懸念する声を強めている。

 政府はレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の最大の政敵であるギュレン師のネットワークを「フェトフッラー派テロ組織(FETO)」と呼んでいる。19日にはFETOへの関与が疑われるとして教育部門の国家公務員1万5200人の職務を停止したほか、私立および公立大学の1600人近い学長らに対して辞職を要求した。

 政府はさらに、ギュレン派と関わりがあるとされるラジオ局やテレビ局の放送免許取り消しにも踏み切った。国営アナトリア(Anadolu)通信によると24の報道機関が免許を剥奪され、ジャーナリスト34人が取材許可証を没収されたという。

 一方、ビナリ・ユルドゥルム(Binali Yildirim)首相は米側に文書を送り、ギュレン師の身柄引き渡しを正式に求めたと発表した。

 ギュレン師は米ペンシルベニア(Pennsylvania)州に暮らしているが、現在もトルコ国内のメディアや金融業界、教育機関などと関わりを持ち続けており、法曹界や警察をはじめさまざまな部門で影響力を誇っている。(c)AFP/Fulya Ozerkan and Raziye Akkoc with Stuart Williams in Ankara