露フィギュア界の皇帝プルシェンコ、ソチ五輪のドーピングを完全否定
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【7月19日 AFP】冬季五輪で金メダルに2度輝いたロシア出身の男子フィギュアスケーター、エフゲニー・プルシェンコ(Evgeni Plushenko)が18日、2014年のソチ冬季五輪や主要国際大会でロシアが国家ぐるみのドーピング違反を行っていたことを暴いた世界反ドーピング機関(WADA)の報告書について言及し、自分はまったく無関係だとして怒りをあらわにした。
プルシェンコはロシアの国営タス通信(TASS)を通じてコメントを発表し、「私はいかなるドーピングにも手を出したことはないと断言する。私は常にフェアに戦ってきた」と語った。
「ソチ五輪では検体を2回提出したが、自分の隣にはいつも手順を見守る監視員がいた。医療的な干渉が加えられる行為はしたことがない」
露連邦保安局(FSB)の協力で行われた同国スポーツ省による「国家主導の不正」が発覚したことを受け、調査を行ったWADAは、8月に開催されるリオデジャネイロ五輪ではロシアの参加を全面的に禁止すべきだと勧告している。
これまで4大会の冬季五輪に出場している33歳のプルシェンコは、母国の陸上チームがリオ五輪出場を禁止されたことを受け、ライバル国がロシアの名声を汚そうとしていると主張し、「ソチ五輪は史上最高の大会だった。それは誰もが知っているし、私は誇りを持ってそう言える。ロシアと争っている国が今回の騒動を起こしたんだ。彼らはソチ五輪の成功をねたみ、不満を抱いているだけだ」と批判した。
ロシアの国家体育運動委員会(State Physical Culture and Sports Commission)で責任者を務める下院議員は、カナダ人法学者のリチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏の主導で行われたWADAの調査結果について、「根拠のない空想」にすぎないと反発している。
露スポーツ専門チャンネルのマッチTV(Match TV)は、この下院議員が「すでにニュースを耳にしているが、目新しい情報は何もない」と話し、マクラーレン氏の調査のきっかけとなる内部告発を行ったモスクワ反ドーピングセンター(Antidoping Centre Moscow)元所長のグリゴリー・ロドチェンコフ(Grigory Rodchenkov)についても、「うそつきだ」と糾弾していると伝えた。
「彼は信用できない人物だ。彼がロシアで話したことと、米国で語った内容はまったく異なっている。誰も彼を信じてはならない。彼の空想や間接的な話が飛び交っているが、そのどれもが事実無根だ」
(c)AFP