【7月18日 AFP】フランス南部ニース(Nice)で84人が犠牲になったトラック突入攻撃で、実行犯のモハメド・ラフエジブフレル(Mohamed Lahouaiej-Bouhlel)容疑者(31)が事件の2日前、現場となった海岸通りを下見していたことが17日、分かった。捜査当局は共犯者の可能性のある人物の取り調べなどを行い、事件の全容解明を急いでいる。

 捜査当局に近い筋がAFPに語ったところによると、チュニジア国籍を持つラフエジブフレル容疑者は、14日の攻撃に先立ち「7.65ミリ口径のピストルを入手できたことを喜び、他の武器の提供をめぐって話し合う」メールを送っていた。また攻撃に使った19トントラックの運転席で「自分撮り(セルフィー)」もしていた。

 ラフエジブフレル容疑者は現場で警察との銃撃戦の末に射殺されている。

 警察筋によると、ラフエジブフレル容疑者の親族や友人らの中には、同容疑者は大酒飲みで地元のモスク(イスラム教の礼拝所)に通ったことがないと話した人がいた一方、「最近は過激なイスラムに傾斜していた」と証言した人もいた。

 事件についてはイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が16日に犯行声明を出したが、ISとラフエジブフレル容疑者を結びつける証拠はまだ出ていない。

 17日には、ラフエジブフレル容疑者にピストルを提供した疑いのあるアルバニア人がニースで身柄を拘束された。事件ではこのアルバニア人の他に6人が拘束されている。

 同容疑者が事件の数日前に借り、海岸通りの下見も使ったトラックからは、模造品のアサルトライフル2丁と偽物の手りゅう弾1発も見つかっている。

 ラフエジブフレル容疑者の別居中の妻で容疑者との間に3人の子どもがいる女性は17日、2日にわたる事情聴取の後に釈放された。(c)AFP/Céline AGNIEL with Pauline TALAGRAND in Paris