【7月15日 AFP】フランス南部ニース(Nice)で14日夜、革命記念日(Bastille Day)の花火の見物客にトラックが全速力で突っ込んだとき、AFPの記者は飛んでくる破片から顔を守らなければならなかった。この事故でこれまでに少なくとも77人が死亡した。

 海沿いの遊歩道プロムナードデザングレ(Promenade des Anglais)で行われた花火の見物に集まった群衆の中にいたAFPのロバート・ホロウェイ(Robert Holloway)記者は、大きな白いトラックが見物客らに突っ込んだ時の様子について「まったくの大混乱だった」と語った。 「人々がはねられ、破片が飛び散るのを見た」「私は飛んでくる破片から顔を守らねばならなかった」

 その場にいたホロウェイ記者は「あんな大きなトラックが実際に遊歩道に乗り上げて、遊歩道に沿ってかなりまっすぐに突っ走るのは、僕には極めて意図的な行為に見えた」と語った。「僕のいたところから約100メートルのところで、僕が逃げるのに数秒しかなかった」

 有名ホテル、ネグレスコ(Negresco)に向かって大人や子供たちが歩いていた遊歩道にトラックがいきなり方向を変えたとき、恐怖を感じた人々は悲鳴を上げて散り散りになった。

 ニースの検察官によると、トラックは群集の中を約2キロ走り人々をなぎ倒した。地元当局者は「大規模な犯罪攻撃」だと述べた。銃声が聞こえたという目撃者の証言もあるが、これについて当局は今のところ確認していない。

 オーストラリア人のエミリー・ワトキンス(Emily Watkins)さんは、現場から50メートル足らずのところにいて遊歩道の上にトラックがいるのを見たが、何が起こっているのか分からなかったという。 ワトキンスさんはオーストラリア放送協会(ABC)に「すごい混乱だった」と語った。

「私たちの前の方、トラックのところから沢山の悲鳴がして大勢の人がこちらに向かって走ってきたので、何が起きているのか分からないまま、私たちも向きを変えて走った」

「走って逃げている時に音が聞こえた。その時は花火か何かの音だと思った」

「大勢の人が先を争って逃げ、ホテルのロビー、レストランや駐車場など、通りから離れた所に入り込もうとしていた」

(c)AFP