【7月14日 AFP】イタリア南部で12日に発生し23人が死亡した旅客列車同士の正面衝突事故で、現場そばのアンドリア(Andria)駅の駅長が、責任の一端は自身にあると述べた。地元メディアが14日、伝えた。

 事故が起きたのは南部プーリア(Puglia)州のコラート(Corato)駅とアンドリア駅の間の単線区間。この鉄道は各駅の駅長が列車の運転手に電話で直接、運転の指示を出していた。アンドリア駅のビト・ピカレッタ(Vito Piccarreta)駅長は日刊紙スタンパ(La Stampa)に「列車に進行を指示したのは私だ」と語り、「混乱があった。列車は遅延していた」と説明した上で、「だが、私だけの責任ではない。みんなが私を責めているが、私も被害者だ」と述べた。

 事故のあった単線区間では、一方の列車が駅で待機して、もう一方の列車が通過するのを待つことになっていた。列車の進行許可は、駅長が電話で指示する手順だった。捜査関係者によると、当時、一方の列車は非常に速い速度で走行しており、事故は当初から人的ミスが原因であるとみられている。

 スタンパ紙によると、事故当時は単線区間を普段よりも1本多い3本の列車が通過する予定で、そのことがアンドリア駅長の混乱の原因になった可能性がある。一方、コラート駅の駅長も、列車が向かってきていたことを知っていたはずだとして、取り調べを受けている。(c)AFP