過体重や肥満で寿命縮まる、最大10年 研究
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【7月14日 AFP】過体重および肥満の寿命への影響について調べた大規模な研究で、重度の肥満では寿命が約10年短くなる恐れがあることが分かった。研究論文が13日、発表された。
この研究では、過体重の程度が高まるにつれ70歳になる前に死亡するリスクが「着実かつ急激に」増加することが示された。
論文の主執筆者で英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)のエマヌエル・ディ・アンジェラントニオ(Emanuele Di Angelantonio)博士は、AFPの取材に「過体重や肥満は、早死にするリスクと関連があることが明らかになった」と述べ、冠状動脈性心臓病や脳卒中、呼吸器系疾患、がんの「すべてのリスクが高まる」と続けた。
研究論文は、英医学誌ランセット(The Lancet)に発表された。四大陸の成人約400万人のデータを基に作成された論文には、過体重の人は平均で約1年寿命が短くなり、「中程度の肥満」の人は約3年短くなることが分かったと記された。
ディ・アンジェラントニオ博士によると、「重度の肥満の人では約10年寿命が短くなる」とされ、2人に1人は70歳より前に死亡する恐れがあるという。
今回の研究に参加した国際研究チームは、1970年~2015年に北米、欧州、オーストラリア、ニュージーランド、東アジア、南アジアの32か国で実施された調査239件の被験者1060万人以上のデータを分析。別の死亡リスクを排除するため、喫煙経験者、調査開始時に慢性疾患のある人、調査開始から5年以内に死亡した人のデータを除き、最終的に残った390万人のデータのみを対象とした。
70歳より前に死亡するリスクは、平均的な体重の男性では19%だが、中程度の肥満男性は29.5%だった。女性では平均的な体重のグループが11%、中程度の肥満のグループが14.6%だった。
「男性でみられた10.5%の増加は、女性の3.6%増と比べると約3倍高かった」と論文は指摘している。
世界保健機関(WHO)の2014年の報告書によると、世界全体の過体重人口は19億人で、そのうちの6億人以上が肥満とされた。(c)AFP