太陽系外縁部で「準惑星」発見、天文学者チーム
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【7月13日 AFP】天文学者チームは12日、海王星よりはるかに遠い太陽系外縁部の離心軌道上で珍しい「準惑星」を発見したと発表した。地球の18分の1の大きさだという。
フランス国立科学研究センター(CNRS)の天文学者、ジャンマルク・プティ(Jean-Marc Petit)氏によると、「RR245」と命名された、氷に覆われたこの準惑星は現在、太陽から約97億キロの距離にあるという。これは、地球と太陽間の平均距離の65倍に相当する。
プティ氏は、AFPの取材に「だが、RR245の軌道は極端な楕円(だえん)形なので、最も離れた所では太陽までの距離が190億キロに達する」と語った。
公転周期が700年の軌道上で、太陽に最も接近する所では、太陽から約50億キロの距離を通過する。
準惑星に分類される天体は、普通の惑星に比べて小型で、太陽からはるかに遠方の軌道を公転し、小惑星などの他の天体が多数存在する領域を移動している。
太陽系には、準惑星が数十個存在すると考えられているが、今のところ数えるほどしか特定されていない。
これまでに見つかっている準惑星には、エリス(Eris)、ケレス(Ceres)、冥王星などがある。冥王星は2006年に惑星から準惑星に格下げする決定が下されたが、これについては今日に至るまでまだ論争が続いている。
天文学者チームの一人、カナダ・ビクトリア大学(University of Victoria)のミシェル・バニスター(Michele Bannister)氏によると、大半の準惑星は小型で暗いという。
バニスター氏は、CNRSから発表された声明の中で「研究対象とするのに十分な大きさと明るさを持つものが発見されるとは、本当に心躍る出来事だ」と述べている。
RR245の存在は今年2月、太陽系外縁天体の探査を目的とする国際プロジェクト「太陽系外縁部起源探査(OSSOS)」で2015年9月に撮影された画像の中で初めて確認された。
RR245の直径は約700キロと推定されている。これに対し、地球の直径は1万2700キロあまりだ。
RR245の発見者らには、RR245に付ける名前を提案する権利が与えられる。惑星の新名称は、国際天文学連合(IAU)の命名委員会による承認を得る必要がある。(c)AFP