【7月13日 AFP】禁止薬物のメルドニウム(Meldonium)を使用したとして、国際水泳連盟(FINA)から調査を受けていたロシアのユリア・エフィモワ(Yuliya Efimova)だが、疑いはすべて晴れ、リオデジャネイロ五輪出場に障害がなくなったことが明らかになった。12日に同選手の代理人が発表している。

 2012年のロンドン五輪で、女子200メートル平泳ぎの銅メダルを獲得した24歳のエフィモワは、同じロシア出身のテニス選手マリア・ シャラポワ(Maria Sharapova)も処分の対象となったメルドニウムが薬物検査で検出され、3月に暫定的な出場停止処分を受けていた。

 その後、世界反ドーピング機関(WADA)はメルドニウムの体内に残る期間が正確に特定できないとして、5月にこの処分を解除。しかし、FINAはそれとは別に独自の調査を行っていた。

 エフィモワは2013年に禁止薬物のデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)を使用して16か月の出場停止処分を受けており、2回目の違反が確定すれば永久追放になる可能性もあったため、FINAの決定にロシアのコーチ陣は心中穏やかではなかった。

 しかしこの日、エフィモワの代理人を務めるアンドレイ・ミトコフ(Andrei Mitkov)氏が、「FINAドーピング・パネルのロバート・フォックス(Robert Fox)議長から書簡が届いた。メルドニウム使用の疑いはすべて晴れた。彼女にはなんの制裁も科されなかった。この件は決着した」と明かした。

 水泳ロシア代表のセルゲイ・コルモゴロフ(Sergei Kolmogorov)ヘッドコーチは、国営タス通信(TASS)に対して、エフィモワがブラジルで合宿中のロシア水泳チームに合流し、8月のリオ五輪に備えると話している。

 ロシアの水泳選手については、3月の英紙タイムズ(The Times)の記事をきっかけにWADAが調査を開始。6月にはFINAが同様の調査を自分たちで行うと発表していた。

 タイムズ紙は、ロシアの陸上選手のドーピングを裏で取り仕切っていたとされるセルゲイ・ポルトゥガロフ(Sergei Portugalov)医師が、同じように水泳代表チームの選手にも成績向上薬を摂取させていたと主張していた。(c)AFP