仲裁判断、中国外交に大打撃 習主席「一切受け入れない」
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【7月13日 AFP】オランダ・ハーグ(Hague)にある常設仲裁裁判所(PCA)が南シナ海(South China Sea)をめぐる中国の主張には法的根拠がないとの判断を示したことについて、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は、一帯の島々は古来より中国の領土だとして、政府は今回の判断に基づくいかなる行動も受け入れないと述べた。国営の新華社(Xinhua)通信が伝えた。
フィリピンの訴えを受けた裁判で仲裁裁が12日に下した判断は、天然資源も豊富な南シナ海の支配に野心を燃やす中国にとって外交的な大打撃となった。中国政府は真っ向から拒絶しており、中国外務省は同日のうちに「判断は無効で何の拘束力もない」との声明を出した。
新華社によると、中国の在オランダ大使は「きょうはハーグにとって『ブラックチューズデー(黒い火曜日)』になった」と批判。判断は「国際法を辱めた」とこき下ろした。
中国はこれまで一貫して仲裁裁にはこの問題を裁く権利がないと主張しており、新華社は「法を乱用した裁判所による根拠なき判断」と報じている。
一方、米国務省は今回の判断について、南シナ海の紛争の解決に向けた「重要な貢献」と高く評価。「最終的かつ法的な拘束力を持つ」ものと捉えるべきだと強調した。
ただ、フィリピンの首都マニラ(Manila)にあるデ・ラサール大学(De La Salle University)の政治アナリスト、リチャード・ヘイダリアン(Richard Heydarian)氏はAFPの取材に、仲裁裁の判断をどのような方法で強制的に執行できるかは依然として疑問だと指摘している。(c)AFP/Benjamin CARLSON with Jan HENNOP in The Hague