【7月12日 AFP】脚にブッダ(仏陀)のタトゥーを入れたスペイン人観光客の男性が、仏教大国のミャンマーで国外退去処分となった。現地警察が11日、発表した。同国では最近、宗教的な強硬派の影響力が増している。

 このスペイン人男性は当初、多くの観光客が寺院や仏塔の遺跡を訪れるミャンマー中部の古都バガン(Bagan)で拘束された。AFPの取材に匿名で応じた現地の警官によると、ショートパンツをはいていた男性の右脚に入っていたブッダのタトゥーを僧侶たちが見とがめ、不適切だとして警察に通報した。男性の身柄は即座に最大都市ヤンゴン(Yangon)へ送り返された。

 同じく匿名で取材に応じたヤンゴン空港の警官は、男性は「観光客としての規則に違反した」ために国外退去処分となり、11日夜にはタイの首都バンコク(Bangkok)へ送還されると答えた。

 ミャンマーではブッダの図像によって、外国人観光客が窮地に立たされる例が時にある。昨年はニュージーランド人のバー経営者が、割引デーの宣伝にブッダの図像を用い「宗教に対する侮辱」の罪で10か月間、服役した。また2014年にも脚にブッダのタトゥーを入れていたカナダ人観光客が拘束されたことがある。

 ミャンマーの他にもスリランカ、タイといった仏教国では、たとえブッダの賛美のためにタトゥーを入れている場合でも、問題となることがある。特に頭から離れるほど神聖さは薄れるとされているため、脚に入れたブッダのタトゥーはいっそう問題視される。(c)AFP