【7月12日 AFP】(更新)南シナ海(South China Sea)の領有権をめぐってフィリピンが中国を提訴した裁判で、オランダ・ハーグ(Hague)にある常設仲裁裁判所(PCA)は12日、中国には同海域の島々に対する「歴史的権利」を主張する法的根拠はないとする裁定を下した。

 同裁判所は、中国が南シナ海での領有権を主張するために独自に設定している境界である「九段線」の内側の海域について「中国が歴史的権利を主張する法的根拠はないと結論付けた」と述べ、「中国はフィリピンの主権を犯している」とした。

 13年に中国を提訴したフィリピンは仲裁裁判所の裁定を歓迎した。一方で中国外務省は同日「裁定は無効で何の拘束力もない。中国はこれを受け入れないし、認めない」と真っ向から拒絶した。さらに「第三者によるいかなる手段の紛争解決も受け入れない」とし、領有権問題に関する長年の姿勢を繰り返した。(c)AFP