【7月12日 AFP】陸上男子短距離界の王者ウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)が11日、来月開催されるリオデジャネイロ五輪に出場する59人の同国代表に選出され、大会でさらなる歴史をつくるチャンスを手にした。

 2週間前に行われた代表選考会を兼ねたジャマイカ選手権(Jamaican national championships 2016)の男子100メートル決勝を棄権し、医療免除による救済措置を模索していたボルトは、国際オリンピック委員会(IOC)に提出された暫定リストに名を連ね、リオ五輪では男子100メートル、200メートル、そして4x100メートルリレーにエントリーすることになった。

 2008年の北京五輪と2012年のロンドン五輪に続き、ボルトがこの3種目で3連覇を果たせば、男子では五輪史上初の3大会連続3冠を達成することになる。

 ジャマイカ陸上競技連盟(JAAA)の選考基準では、世界トップ3の選手には医療免除を申請して代表選考会を欠場することが認められているものの、代表に選出されるためには後日の大会で競技可能であることを証明しなければならない。

 国内選手権の初日にハムストリングを痛めていたボルトは、男子100メートルの準決勝を終えると、決勝レースの1時間前に棄権。200メートルを含め、残りの種目では医療免除を申請していた。その後、欧州に向かったボルトは、ハンス=ヴィルヘルム・ミュラー=ヴォールファート(Hans-Wilhelm Mueller-Wohlfahrt)医師の治療を受けながら練習に臨んでいる写真をSNSなどに投稿している。

 今季のボルトは、100メートルで9秒88のシーズンベストを記録しているものの、200メートルについては競技会に出場しておらず、今月下旬に英ロンドン(London)で開催されるダイヤモンドリーグ(IAAF Diamond League 2016)で走る予定となっている。

 ジャマイカの選手はボルトのほかに、女子100メートルで今季世界最高の10秒70を記録したエレーン・トンプソン(Elaine Thompson)、ロンドン五輪の男子110メートルハードルで銅メダルを獲得したハンズル・パーチメント(Hansle Parchment)、そして女子400メートルハードルのジャニーヴ・ラッセル(Janieve Russell)が医療免除を利用しており、3人とも代表リストに名を連ねている。(c)AFP