広大なマングローブ林が立ち枯れ、気候変動が原因の可能性 豪
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【7月11日 AFP】オーストラリア北東部クイーンズランド(Queensland)州の北に位置するカーペンタリア湾(Gulf of Carpentaria)で、数千ヘクタールにわたって生い茂っていたマングローブが枯死してしまったことが分かった。研究者らが11日、発表した。気候変動が原因とみられている。
豪ジェームズ・クック大学(James Cook University)の研究者らによると、同湾に広がるマングローブ林の9%に当たる約7000ヘクタール分の林が、わずか1か月で枯死してしまったという。このような事態は、記録が残っている限り過去に例がないとしている。
同大学でマングローブ生態学を専門とするノーム・デューク(Norm Duke)氏は、、航空機および衛星を使った調査で、枯死もしくは葉を失ってしまう「立ち枯れ」状態となったマングローブ林が確認されたとし、長く続いた干ばつが原因となった可能性があると述べている。
デューク氏はAFPに対し、「これこそ気候変動が可視化された姿だ。何もかも極端になってしまう…われわれがここで目にしているのは、異常に長い乾季だ」と話し、「今立ち枯れが発生している原因はこの干ばつにある。干ばつ自体は普通のことだが、ここまで深刻にはならない。そこが違う」と指摘している。
研究者らは地元の森林警備隊から、木陰を必要とする貝類などが死滅しつつあるという情報を得ており、マングローブ生態系に依存するカメやジュゴンが「数か月のうちに餓死する」恐れもあると、デューク氏は懸念している。(c)AFP