【7月9日 AFP】バングラデシュの首都ダッカ(Dhaka)で先週起きた飲食店襲撃事件で、警察が容疑者として拘束した10代の従業員が勾留中に死亡し、遺族らは人質だったにもかかわらず治安部隊に拷問を受けたと主張している。

 死亡したのは現場となった飲食店「ホリー・アーティサン・ベーカリー(Holey Artisan Bakery)」で調理補助として勤務していたザキール・ホサイン・シャウォン(Zakir Hossain Shawon)容疑者(18)。外国人18人を含む22人が死亡した事件後に拘束されたが、遺族らはシャウォン容疑者も人質の1人だったと主張している。

 警察は現場で実行犯5人を殺害。さらにシャウォン容疑者ともう一人の男を「不審な行動」をしていたとして拘束し、容疑者として扱った。警察、遺族双方によれば、シャウォン容疑者は5日にわたって治療を受けていたダッカ医科大学病院(Dhaka Medical College Hospital)の集中治療室で8日遅くに死亡した。

 父親のアブドゥス・サタール(Abdus Sattar)さんは「息子は無実で家族の稼ぎ頭だった」と話し、死に関する捜査を要求している。サタールさんは「息子の体には拷問の痕があった。あちこちで血が凝固して痕になり、片目と両ひざは黒ずんでいた。両手首も黒ずんでいた。ロープで手首から吊られたようだった」と述べ、息子は拷問で死んだと主張している。

 また人権団体アイン・オ・サリシュ・ケンドラ(Ain o Salish Kendra)のヌール・カーン・リトン(Nur Khan Liton)代表も、シャウォン容疑者が事件に関与していたとの見方に疑問を呈している。(c)AFP