警官狙撃後も続く警察への抗議デモ、スヌープ・ドッグさんも 米
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【7月9日 AFP】米ミネソタ(Minnesota)州とルイジアナ(Louisiana)州で相次いで起きた警官による黒人射殺への抗議デモが行われていたテキサス(Texas)州ダラス(Dallas)で警官が狙撃され5人が死亡した事件から一夜明けた8日、ダラスでは追悼集会が開かれた一方で、全米各地では警察の暴力行為に抗議するデモが続けられた。
ダラスで警官を狙撃し、現場で警察のロボットに爆殺された元陸軍予備役のマイカ・ジョンソン(Micah Johnson)(25)容疑者は、投降するよう説得を試みた交渉人に対し、犯行目的はミネソタとルイジアナの黒人射殺に復讐し、白人警官を殺害することだと述べていた。
黒人に対する警察の暴力行為に反対する運動「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」の指導者たちは、ダラスの警官狙撃を非難しつつ、今週末に予定されている警察への抗議行動は中止しないと述べている。
全米では8日、ジョージア(Georgia)州アトランタ(Atlanta)、テキサス州ヒューストン(Houston)、カリフォルニア(California)州サンフランシスコ(San Francisco)などで大規模なデモが行われ、首都ワシントン(Washington D.C.)のホワイトハウス(White House)前でも大勢が抗議を繰り広げた。
■「足りないのは対話」スヌープ・ドッグさん
警官狙撃事件を受け、全米では緊迫した人種間関係の修復を緊急に呼び掛ける声が広がっている。ラッパーのスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)さんとゲーム(The Game)さんはダラスでの事件から数時間後、ロサンゼルス(Los Angeles)市警の前で、平和的な抗議行動を率いた。ロサンゼルス出身の2人は、警察を非難することではなく、警察との対話を試みることが目的だと語った。
ドッグさんたちの抗議行動中、市警では警察学校の卒業式が行われていたが、2人はそれを知らずに抗議を実施したという。スヌープ・ドッグさんは「今起きていることにはうんざりだ。コミュニケーションが不足している。対話をしたいし、そういうコミュニケーションがあれば、彼ら(新人警官)が街に出たときにも、どんな人間を相手にしているか分かるだろうし、俺たちの態度も変わるだろう」と語りさらに、「ある種の対話があることが分かれば、彼らも怖がる必要がなくなる。そうすれば彼らも自分たちの仕事ができるし、誰かを呼び止めたときには、家に帰すか監獄へ送るかの前にまず対話だってことが分かるはずだ」と語った。(c)AFP