【7月9日 AFP】国連薬物犯罪事務所(UNODC)は8日、世界最大のコカイン生産国コロンビアにおける2015年のコカイン生産量が前年比で約50%も増加していたと明らかにした。

 同事務所コロンビア支部のボー・マティアセン(Bo Mathiasen)代表は記者会見で、コカを栽培する畑の面積が39%増の9万6000ヘクタールに拡大したと述べた。マティアセン代表は、白い粉末化された塩酸コカインの製造量も46%増の646トンになったと述べた。

 マティアセン氏は、コカの栽培面積が増えたのはコロンビア政府がコカへの除草剤散布を停止した影響もあると語った。同氏によると、いずれもコカインの大生産国であるペルーとボリビアの国境付近でも合計6万ヘクタールでコカが栽培されている。

 コロンビア政府の薬物取り締まり当局のトップ、エドゥアルド・ディアス(Eduardo Diaz)氏は、コカ栽培量は一時数年間にわたって落ち着いていたものの、最近になって再び激増したと述べた。

 コカインの密売は、同国で過去50年間にわたって続いてきた内戦をあおってきた。

 国内最大の左翼ゲリラ組織「コロンビア革命軍(FARC)」は先月、コロンビア政府と停戦することで合意した。双方ともこの停戦が数週間以内に最終的な和平に発展することを希望している。

 コロンビア内戦にはさまざまな武装組織や麻薬密輸組織が関わってきた。同国のルイス・カルロス・ビジェガス(Luis Carlos Villegas)国防相は7日、コカの生産性が上がってきていると述べた上で、和平が実現すればコカを別の作物に置き換えてコカ栽培を根絶するという政府の取り組みが成功するだろうと期待感を示した。(c)AFP