【7月7日 AFP】ブラジル当局は6日、五輪開幕が1か月後に迫ったリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)で、市内の治安維持のため新たに投入された警察部隊が早速、銃撃を受け応戦する事態が発生したことを明らかにした。それでも、ミシェル・テメル(Michel Temer)暫定大統領は大会期間中の「万全の平和」を約束している。

 8月5日に開幕し21日まで開催されるリオデジャネイロ五輪には、選手1万500人の参加と観光客50万人の訪問が見込まれている。ブラジル政府は、訪れる人々の安全を確保するため治安部隊を増強し、約8万5000人の警官と兵士をリオ市内やサッカー競技が開催される各都市に展開している。これは、2012年のロンドン五輪の倍の規模だ。

 しかし、治安の悪いリオ北部では5日、警察のエリート部隊が銃撃される事件が起きた。司法省報道官によると、偵察任務から戻る途中の警察車両に向けて発砲があり、警察側が銃で応戦。数秒間にわたる撃ち合いになったという。サイドミラーに銃弾が当たったが、負傷者はいないという。

 リオ市内では警察と麻薬組織との銃撃戦がほぼ日常的に発生しているが、五輪警備のため大規模な治安部隊が投入されてからは初めて。

 しかし、テメル氏をはじめ暫定政府の閣僚らは6日、五輪観戦客が恐れることは何もないとのコメントを相次いで発表した。ラウル・ジュングマン(Raul Jungmann)国防相は記者会見で、五輪について「平和を保証できる」「幸福かつ平穏な大会となると期待している」などと述べた。(c)AFP/Claire DE OLIVEIRA NETO