【7月21日 AFP】イスラエルに「バットウーマン(コウモリ女)」とでも呼ぶべき女性がいる。

 この女性が人知れず働いているのは、イスラエル中部にある元養鶏場。現在はオオコウモリの保護施設であるこの場所で、さまざまな病気にかかったたくさんのコウモリたちが彼女の治療を受けて元気になっている。

「けがをしたコウモリの目はディズニー(Disney)アニメみたいになるの。そんな目で見られたら胸が張り裂けそうになって、あなたのためなら死んでもいい、と言いたくなるはずよ」。コウモリたちが甲高い声を上げる中、髪を紫に染めた動物愛護活動家、ノラ・リフシッツ(Nora Lifschitz)さん(29)は、この活動を始めたきっかけを説明してくれた。

 リフシッツさんは2014年から、リハビリと保護が必要なオオコウモリをテルアビブ(Tel Aviv)の自宅アパートに連れ帰り、ボランティア仲間たちと治療を施してきた。

 しかしコウモリの数が増え、家を占拠されるようになると、窓もドアも閉めっ放しにせざるを得なくなり、もっと広い場所が新たに必要になった。

 そこで、彼女のグループ「アタレフ(Atalef、ヘブライ語で『コウモリ』を意味し、『オオコウモリに助けと治療を』という言葉の頭文字を取ったもの)」はインターネット上で募金活動を開始。そうして集めた資金によって、ベト・シュメシュ(Beit Shemesh)近郊エラバレー(Ella Valley)の牧歌的な町で、ブリキ板の壁でつくられた小さな養鶏場をコウモリたちの新たな家に生まれ変わらせた。(c)AFP/Jonah Mandel