【7月7日 AFP】韓国の大物実業家として知られる鄭夢準(Mong-Joon Chung、チョン・モンジュン)氏は6日、母国が開催地に立候補していた2022年サッカーW杯(2022 World Cup)招致に向けたロビー活動をめぐり、国際サッカー連盟(FIFA)から科された活動停止処分について、あらゆる手段を講じて対抗すると語った。

 一時はFIFAの次期会長選に名乗りを上げていた鄭氏は、先日の上訴委員会で一部の処分が確定し、職務停止期間が6年から5年に軽減されたことを受け、処分撤回に必要な場合はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に上訴すると主張した。

 鄭氏は声明で、「FIFAの倫理委員会および上訴委員会が下した間違った決定を正すことは、私の名誉を回復するだけでなく、FIFAの改革に私が貢献することにもつながる」とすると、「そのために、CASへの上訴を含めて私に可能なあらゆる法的手段に出るつもりである」と徹底抗戦の構えをみせた。

「最も失望しているのは、FIFAがまるで変っていないという事実だ。やり方が間違っていることをFIFAが完全に認識していれば、あのような処分が言い渡されることは決してなかったはずである」

 FIFAの元副会長でもある鄭氏は、韓国が立候補した2022年W杯の開催招致に向けたロビー活動で規則違反が発覚。2010年に行われた開催地決定投票では、カタールに軍配が上がった。

 現代(Hyundai)財閥の御曹司である鄭氏は、ジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)前会長の後任を選ぶFIFA会長選に立候補していたものの、昨年10月に職務停止が言い渡されると、FIFAの判断を「妨害工作だ」と糾弾しながらも最終的に出馬を辞退。今年2月の投票では、欧州サッカー連盟(UEFA)の元事務局長であるジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)氏が会長に選出されている。

 先日の上訴委員会では、不正の証拠を基に鄭氏の職務停止期間を6年とするには「不十分である」との判断が下され、罰金についても10万スイスフラン(約1000万円)から5万スイスフラン(約500万円)に軽減された。(c)AFP