【7月6日 AFP】世界最高峰エベレスト(Mount Everest)登頂の認定を受けていたインドの警察官夫婦が証拠写真を捏造(ねつぞう)したとする疑惑をめぐり、ネパール観光当局は6日、捏造が確認されたと述べた。

 インドの警察で共に巡査を務めるディネーシュ・ラソッド(Dinesh Rathod)さんとタラケシュワリ・ラソッド(Tarakeshwari Rathod)さん夫婦は、今年5月23日にエベレスト登頂に成功したと記者団に語っていた。しかし、夫婦の山頂での写真は捏造されたものだと他の登山家らが指摘したことから、疑惑が浮上した。

 ネパール観光当局のギャネンドラ・クマル・シュレスタ(Gyanendra Kumar Shrestha)氏は「登山ツアー代理店が確認したところによると、観光当局に提出された写真は、認定を受けるためにインド人夫婦が加工したものだった」と述べ、「調査委員会からまもなく報告書が発表され、詐欺行為に関与した者への処罰が提言される見込みだ」と語った。

 エベレストに登頂したと偽ること自体は違法ではない。だが登山家8人が、夫婦のうそは本物の登山家の努力を軽視しているとして2人を告発したことを受け、インド当局は詐欺事件として捜査を始めた。エベレスト登頂に成功した人の多くは、その体験に基づき、講演者や作家として収入を得たり、キャリアを築いたりしている。

 2人の登山を手配したマカル・アドベンチャーズ(Makalu Adventures)のオーナー、モハン・ラムサル(Mohan Lamsal)氏はAFPに対し、2人に写真の元データを要求したものの、2人の行方が分からなくなったと語った。

 またラムサル氏は、「あるインド人登山家が自分の写真が複製されたと主張しており、その登山家から写真を受け取った。写真を比較した結果、(夫婦が)提出した写真は捏造だったと確信した」と述べ、「登山を手伝ったシェルパ(山岳ガイド)2人の行方も分からなくなっている」と付け加えた。(c)AFP/Kamal PARIYAR