【7月6日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)の男子シングルスで準々決勝進出を果たしたトマス・ベルディハ(Tomas Berdych、チェコ)は5日、4回戦の試合で日が沈んだ暗がりの中でのプレーを強いられたことについて不満をあらわにした。

 大会第10シードのベルディハは、4日に行われた4回戦でイリ・ベセリ(Jiri Vesely、チェコ)と対戦し、第3コートで行われた試合は4-6、6-3、7-6、6-7の場面で日没サスペンデッドになった。試合は英ロンドン(London)の日没時間となった午後9時15分の数分後に中断とされたが、第4セットのタイブレークに突入した時点ですでに日が落ち、そのほかの試合もすべて中止になっていた。

 ベルディハとベセリは5日に順延された最終セットを戦い、2010年大会ファイナリストのベルディハがこのセットを6-3で制してベスト8入りを果たしている。

 第4セットのタイブレークについてベルディハは、「本当に見えなかった。それが事実だ。中断を求めたが、『中断するには遅すぎる。試合を終えなければならない』と言われた」と語った。

「審判は自動ライン判定システムのホークアイ(Hawkeye)をこれ以上動かすことができないと言った。なぜこのマシンが作動していない状況の中でプレーしなければならないのか、僕には理解できないよ。人の目がそのマシンよりも正確に見極められるとは思わない。それがもう一つの事実だ」

 日没サスペンデッドを迎える前、ベルディハは屋根に照明があるセンターコートへの移動を提案した。センターコートは午後11時までプレーを続けることが可能だが、ベルディハはそのまま暗闇の中に残されたことに不快感を示しており、「移動しようと伝えた。それなら試合を終わらせることができる。だけど、なぜそうしないのかという返答はなかった」と語っている。

 2年前の2014年6月27日に行われた試合で、屋外コートでは大会史上最も遅い時間となる午後9時38分にマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)に敗れた経験を持つベルディハは、暗がりの中でのプレー続行については、選手に大きな決定権が与えられるべきだと主張している。

「この件については選手が発言権を持つべきだ。コートにいるのは僕らなのだから。パフォーマンスをしているのは僕らなんだ」

「椅子に座っている人間が判断を下す。それでは少し不公平だ。何も変えることができないのであれば、発言すること自体が無意味ではあるけれど」

 6日に行われる準々決勝でベルディハは、第32シードのリュカ・プイユ(Lucas Pouille、フランス)と第1コートで対戦する。(c)AFP/Robin MILLARD