【7月6日 AFP】イラクの首都バグダッド(Baghdad)で200人以上が犠牲になった自爆攻撃が起きたことを受けて、ムハンマド・ガッバーン(Muhammad al-Ghabban)内相が5日、辞意を表明した。

 自動車を使ったこの自爆攻撃は3日、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」明けを祝う祭日を前に、買い物客でにぎわっていたカラダ(Karrada)地区で発生。現場付近の建物も激しく炎上した。

 ガッバーン内相は記者会見で「首相に辞表を提出した」と明らかにした。ただ、受理されるかどうかは不明で、留任となる可能性もある。

 今回の攻撃をめぐってガッバーン氏は、爆発物を積んだ車はバグダッドの北にあるディヤラ(Diyala)州から来ており、バグダッドへ入る際の検問所を何事もなく通過していたことになると指摘。首都の治安対策の柱として政府が市のあちこちに設置している検問所は「全く役に立っていない」と批判した。

 同氏は現状の治安体制に根本的な欠陥があるとし、自身がこの攻撃に対して直接の責任を負うことはできないとも主張した。

 その一方でガッバーン氏は、治安対策の任務をバグダッド作戦司令部(Baghdad Operations Command)から内務省の管轄に移すことを含めた一連の改革案を提示。実現すれば、内務省の権限強化につながる。

 事件を受けてハイダル・アバディ(Haider al-Abadi)首相も治安対策の改革を発表している。これには、英国で詐欺罪で有罪判決を言い渡されている男から購入し、男の収監後何年もたってからも使われ続けていた偽物の爆弾探知機の廃棄も含まれる。(c)AFP/W.G. Dunlop