クリントン氏メール問題、訴追求めないが「極めて軽率」 FBI
このニュースをシェア
【7月6日 AFP】米大統領選で民主党の候補指名獲得を確実にしているヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏が国務長官在任中に公務で私用メールを使っていた問題で、米連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー(James Comey)長官は5日首都ワシントン(Washington D.C.)で記者会見し、クリントン氏を刑事訴追しないよう司法省に勧告すると述べた。
コミー長官は、政治的配慮を排して徹底的に行った調査の結果、クリントン氏や側近らによる「意図的な違法行為」の証拠は見つからなかったと発表した。その一方で、「非常に慎重になるべき極秘情報の取り扱いで、極めて軽率だった」とクリントン氏らを厳しく批判した。
コミー長官は、クリントン氏が機密事項、時には当時のトップシークレットとみなされる情報も確かに送受信していたという結論に達した。私的なメールアカウントやサーバーを介して機密情報を送ったことは絶対になかったというクリントン氏が繰り返してきた主張とは矛盾する。
訴追は回避される見込みになったとはいえ、クリントン氏が私用メールアカウントを使って機密情報をやりとりしていたことを「極めて軽率」と断じたFBIの判断は、共和党の指名獲得が確定しているドナルド・トランプ(Donald Trump)氏との一騎打ちを前に党の再結束を図りたいクリントン氏が期待していた「完全無罪」からは程遠い内容となった。
クリントン氏らは何年も法の適用を免れてきたというトランプ氏ら共和党の主張が強まるのは必至だ。(c)AFP/Michael Mathes