【7月5日 AFP】イラク法務省は4日、5人の死刑を執行したと発表した。前日の3日に首都バグダッド(Baghdad)で発生し、200人以上が死亡した自爆攻撃を受けての措置だとしている。

 法務省は声明で、この攻撃の犠牲者の遺族に対し哀悼の意を表した上で、「法務省にいる同胞らが、イラク人の血で手が染まっている者らに対する当然の罰を与え続けている」ということを知ってほしいという考えを示し、「だからこそ、けさ受刑者5人の死刑を執行したことを発表したい」と述べた。この5人の罪状については公表していない。

 混雑した繁華街で発生したこの攻撃については、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出している。

 隣国ヨルダンも昨年、ISがシリア上空で撃墜したヨルダン軍のパイロットの一人に生きたまま火をつけて殺害したことを受けて、過激派2人の死刑を執行。これについては国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が、死刑執行を「報復の道具」に使うべきではないと強く非難した。

 ISは2014年にバグダッドの北方と西方の広い範囲を制圧したが、これまでにそのかなりの部分をイラク治安部隊が奪還した。専門家らは、戦場で劣勢のISが、一般市民を標的にした爆弾攻撃を強化する恐れがあると警鐘を鳴らしている。(c)AFP