【7月5日 AFP】サウジアラビア西部にあるイスラム教の三大聖地の一つメディナ(Medina)の「預言者モスク(Prophet's Mosque)」で4日、自爆攻撃があり、内務省によると治安要員4人が死亡、5人が負傷した。同国ではこの日、別の2都市でも自爆攻撃が起きた。いずれも現時点で犯行声明は出ていないが、同国では過去にイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が攻撃を行い、犠牲者が出ている。

 4日はイスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」明けの前日だった。衛星テレビ局アルアラビーヤ(Al-Arabiya)によると、メディナでの攻撃は1日の断食を終える日没の祈りの最中に発生した。

 同局が放映した現場の映像には、炎が上がっている治安部隊の駐車場付近に、少なくとも1人の遺体が写っている。内務省の声明は「治安要員が、預言者モスクに向かって来訪者用の駐車場を通っていく不審な男を見つけた。治安要員が呼び止めようとすると、男は自爆ベルトを起爆させて死亡した。これにより治安要員4人も犠牲になった」としている。

 預言者ムハンマド(Mohammed)の墓がある預言者モスクは、ラマダン中は特に混雑する。ラマダンは慈愛の月とされるが、各地で激しい攻撃に見舞われている。

 メディナでの攻撃とほぼ同時刻に、サウジアラビア東部のカティーフ(Qatif)でも自爆攻撃が発生した。地元住民らが明らかにした。目撃者の話では、自爆犯1人以外に死傷者はいなかったという。

 同日未明には、同国西部の紅海(Red Sea)沿海の都市ジッダ(Jeddah)にある米総領事館近くでも爆発が発生し、内務省によると治安要員2人が負傷した。

 サウジアラビアでは2014年後半以降、ISが犯行を主張している爆発・銃撃事件が何度か発生しているが、同じ日に複数の攻撃に見舞われるのは異例。(c)AFP