【7月5日 AFP】『桜桃の味(Taste of Cherry)』などで知られるイランの映画監督、アッバス・キアロスタミ(Abbas Kiarostami)氏が滞在先のフランスで死去した。76歳。がんとの闘病を続けていた。イランメディアが報じた。

 イラン学生通信(ISNA)によると、キアロスタミ氏は先週、治療を受けるため渡仏していた。イランの映画製作者でつくる団体も同氏の死去を確認した。

 キアロスタミ氏は1940年テヘラン(Tehran)生まれ。1960年代にイラン映画のニューウエーブの旗手として頭角を現した。1979年のイラン革命後も国内にとどまったが、過去10年は世界に活動の場を広げていた。

 代表作の一つ『桜桃の味』は1997年にカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)の最高賞パルム・ドール(Palme d'Or)に輝いた。

 国営イラン通信(IRNA)によると、キアロスタミ氏は今年2月から4月にかけてイランで複数の手術を受けたが、経過は良くなかったという。遺体は母国に送られて埋葬される予定。(c)AFP