民族衣装で過激派と勘違い? 米でUAE市民拘束、政府が抗議
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【7月4日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)政府は3日、同国市民のビジネスマンが(41)が滞在先の米国でイスラム過激派と疑われて拘束され「虐待的な扱い」を受けたとして、米大使館の高官を呼び抗議した。男性はUAEの民族衣装を着ていたといい、政府は国民に対して外国ではその着用を避けるよう助言も行った。
男性は治療目的で訪れた米国のオハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)のホテルで6月29日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に忠誠を誓ったと疑った従業員によって通報され、警察に身柄を拘束された。男性は当時、民族衣装である白いローブとアラブの頭飾りを着用していた。
UAE外務省は米国のイーサン・ゴールドリッチ(Ethan Goldrich)駐UAE首席公使に対し、「UAE市民に対するオハイオ警察の虐待的な扱いに不満」を表明すると伝達。さらに拘束の様子を映した動画が公開されたことについても「UAE市民に対する中傷」だとして抗議した。
国営首長国通信(WAM)によると、ゴールドリッチ首席公使は今回の件について謝罪するとともに、オハイオ州当局から事情の説明を受けると約束した。
動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」に投稿された動画には、ライフルで武装した警官数人が男性を押さえつけ、手錠をかけて体を捜索する様子が映っている。
UAEの地元紙ナショナル(The National)は男性の話として「彼ら(警官)は乱暴だった。強引な拘束で数か所を負傷し、出血した」と伝えている。
一方、UAE外務省はツイッター(Twitter)に投稿した声明で、同国民に対して「旅行中、特に公共の場では、自分の安全確保のため民族衣装を着用しないよう」促した。
男性は危険人物でないと確認された後に釈放された。(c)AFP