【7月2日 AFP】米カリフォルニア(California)州で1日、アサルトライフルの規制などを定めた銃規制法が成立した。州議会が可決していた6本の法案にジェリー・ブラウン(Jerry Brown)州知事が署名した。米国で最も厳しいカリフォルニア州の銃規制がさらに強化される。

 ブラウン知事は声明で、「新しい銃規制法案に署名した私の狙いは、公共の安全を図ると同時に法に従って銃を所持する人々の権利を保護するため、目的を明確にした責任ある方法で既存の州法を強化することにある」と述べた。

 1日に成立した銃規制法は、装着された弾倉を迅速に取り外せるアサルトライフルの禁止、銃器の貸し借りに対する新しい規制、銃器が盗難に遭ったと虚偽の報告をした際の罰則の新設などを定めている。また一部の銃購入希望者について身分証明書の提示と身元調査が義務付けられる。

 しかしブラウン州知事は州議会で可決された別の5法案には署名しなかった。その理由としてブラウン氏は、今年11月の選挙に合わせて行われるカリフォルニア州の住民投票にかけられる内容と似ていることや、既存の法律との重複を挙げた。

 ブラウン州知事が拒否権を行使した法案は、銃器を盗難・紛失した場合5日以内に当局に報告するというものや、ライフルやショットガンの購入を1か月につき1丁に限定するというものなどだった。同州議会の過半数を占める民主党員はこれらの法案に賛成し、共和党員は反対した。

 先月12日に米フロリダ(Florida)州で発生して49人が死亡した事件や、昨年カリフォルニア州サンバーナーディーノ(San Bernardino)で発生し、14人が死亡した事件など一連の銃乱射事件を受け、カリフォルニア州議会は先月30日、これらの法案を可決していた。銃所持の権利を擁護する団体は、一連の銃規制法案を批判していた。

 米国において銃規制法は感情的な反応を引き起こす問題だ。先月22日には、首都ワシントン(Washington D.C.)の連邦議会下院で、フロリダ州オーランド(Orlando)で米国史上最悪の死者が発生した銃乱射事件を受け、民主党議員が銃規制法案の採決を求めて座り込みを行った。(c)AFP