【7月1日 AFP】台湾海軍は1日、中国本土の方角へ誤って発射された対艦ミサイルが海上の漁船を直撃し、1人が死亡したと発表した。

 発射されたのは台湾の開発した超音速のミサイル「雄風3(Hsiung-feng III)」で、発射後約75キロ飛行し、台湾海峡(Taiwan Strait)の澎湖諸島(Penghu)沖合で漁船を直撃した。

 被害にあった漁船は台湾南部・高雄(Kaohsiung)を拠点とするトロール漁船(60トン)で、船長が死亡し、乗っていたベトナム人とフィリピン人を含む3人が負傷した。

 台湾国防部(国防省)の報道官は記者団に「初期捜査により、この事故で船長1人が死亡したことがわかった」と語り、「船長の家族に謝罪するとともに弔意を表したい」と述べた。

 ミサイルは現地時間午前8時10分(日本時間午前9時10分)ごろ、高雄にある左営(Tsoying)海軍基地に停泊していた500トンのミサイル艦から訓練中に発射され、中国本土の方向に飛行した。海軍によると、ミサイルはトロール漁船を貫通したが爆発せず、漁船は沈没しなかった。(c)AFP