【7月1日 AFP】オランダの通信企業KPNは6月30日、いわゆる「モノのインターネット(Internet of ThingsIoT)」を推進するため、全国規模の長距離通信網「LoRa」を世界で初めて導入したと発表した。

 日常的に使われている機器をインターネットに接続して情報交換する仕組みはインターネットを大きく進化させ、多くの企業の活動や人々の暮らしに変革をもたらすとみられている。

 KPNは「本日より、KPN LoRaネットワークがオランダ全土で利用可能となった」と発表した。各種の機器をインターネットに接続する際、家庭や職場のWi-Fiネットワークに接続できない場合も多いため、LoRaの導入は非常に重要だ。

 ロッテルダム(Rotterdam)とハーグ(Hague)では昨年11月から初期段階としてすでに運用されていたが、「顧客の関心が非常に高かった」ため、全国規模に拡大したという。

 KPNの携帯電話のネットワークを通信速度が遅いLoRaネットワークで補完し、オランダ全土でIoTが利用できるようになった。

 KPNはすでに各種の装置約150万台のインターネット接続契約を結んでいるが、LoRaが全国で利用可能となったことで、その数は着実に増え続けるとみられる。

 欧州で最も発着便数の多いハブ空港の一つであるアムステルダム(Amsterdam)のスキポール(Schiphol)空港では現在、手荷物の取り扱いでRoLaが試験的に利用されている。

 ユトレヒト(Utrecht)の駅ではLoRaで線路の分岐器の状態を監視する実験が進められている。ロッテルダム港ではLoRaに接続するための装置が音響測深機に取り付けられた。(c)AFP