【6月28日 AFP】ヨルダンの情報機関職員が、米中央情報局（CIA）とサウジアラビアがシリアの反体制派に供給した数百万ドル相当の武器を盗み出し、闇市場に横流ししていたことが明らかになった。米紙ニューヨーク・タイムズ（New York Times）と中東衛星テレビ局アルジャジーラ（Al-Jazeera）が26日に報じた。

　軍事装備品は、シリアのアサド政権に対抗する反体制派の中の穏健派をCIAが訓練し、武装させる極秘計画の一環としてヨルダンに輸入されたものだった。

　ニューヨーク・タイムズとアルジャジーラは、米国とヨルダン双方の匿名の当局関係者の談話として、これらの武器の一部が昨年11月、ヨルダンの首都アンマン（Amman）の警察訓練施設で起きた銃乱射事件で使用されていたことを伝えている。この事件では、指導官の米国人2人とヨルダン人2人、南アフリカ人1人が死亡した。

　両メディアによれば、米連邦捜査局（FBI）は過去数か月にわたって事件を捜査してきた。盗まれた武器には、カラシニコフ（Kalashnikov）自動小銃、迫撃砲、ロケット推進式手りゅう弾が含まれており、このところ闇市場に豊富に出回っていたという。

　捜査当局関係者らは、大半の武器の行方を突き止めていないが、ヨルダンの地方部族や犯罪者の手に渡ったか、他国に出荷された可能性が高い。FBIとCIAは、これまでのところコメントの求めに応じていない。(c)AFP