【6月28日 AFP】英国の国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝利したことについて、専門家たちは、貧しく学歴のない英国人が新しい世界秩序の経済的恩恵を受けていないと怒り、「離脱」に投票したと分析している。

 経済危機の余波に最も苦しみ、移民の流入によって職が奪われると最も恐れている人々──彼らは欧州では極右政党の、米国では大統領選で共和党の候補指名を確実にしたドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の支持基盤となっている。

「どこを見ても同じパターンが起きている」と、米シンクタンク「ブルッキングス研究所(Brookings Institution)」の上級研究員、ウィリム・ガルストン(William Galston)氏は言う。「英国の人口動態における分断は、米国の大統領選の有権者における人口動態の分断とまったく同じだ」

 英国の国民投票で離脱派の得票率は51.9%だった。離脱支持が多数を占めたのは、移民労働者が多い地方やかつての産業地帯、都市部周辺の貧困地域。また、大学教育を受けていない人々や高齢者の多くも「離脱」に投票した。

 ガルストン氏は、こうした人々が英国のEU離脱を決める大きな勢力になるとも、米国の大統領選でカギを握る層になるとも予想していなかったと語る。「彼らは欧州の既存政党がとりわけ警戒すべき存在となった」