2030年までに子ども6900万人死亡の恐れ、ユニセフ報告書
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【6月28日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は28日、2016年版「世界子供白書(State of the World's Children)」を発表し、世界の国々が最も厳しい状況に置かれた子どもたちに目を向けて対応しなければ、2030年までに5歳未満の乳幼児6900万人が死亡、1億6700万人が貧困に苦しむ恐れがあると指摘した。
その一方で報告書は、1990年以降の子どもの死亡率は53%減少し、最貧層で暮らす子どもの数も劇的に減少したことを評価。また、過去25年間に子どもの教育や健康を取り巻く状況は大幅に改善されたとしながら、今後も貧しい子どもたちに対する支援をさらに強化すべきと訴えた。
国連は、こうした支援の強化が無ければ、持続的な開発目標の達成期限と定める2030年までに、幼くして結婚する女性や少女が約7500万人に達するとみている。極度の貧困家庭で育った女児が幼くして結婚する確率は、最も豊かな家庭で育った場合の約2倍に跳ね上がるという。
世界で最も貧しい子どもたちは、最も裕福な子供たちに比べ、5歳未満で死亡する割合が約2倍高く、南アジアやサハラ砂漠以南では、教育を受けていない母親から生まれた子どもは、中等教育を受けた母親から生まれた子どもよりも、5歳未満で死亡する確率が約3倍高い。
また、学校に通っていない子どもの数は2011年から増加し、現在では約1億2400万人に達している。(c)AFP