【6月28日 AFP】英国の国民投票で欧州連合（EU）離脱派が勝利したことを受けて、独仏伊3か国の首脳は27日、ベルリン（Berlin）で会談し、EUに「新たな勢い」を生み出す必要性を訴えた上で、英国が離脱を正式に通知しない限り、EUは英国といかなる交渉にも応じないという方針を明らかにした。

　EU加盟国のうち、大陸側で最も人口の多い3か国が、英側は将来の貿易やその他の連携について交渉を始める前に、まずEUの離脱条項にあたるリスボン条約（Lisbon Treaty）第50条を発動すべきだという考えを示した。

　フランソワ・オランド（Francois Hollande）仏大統領とマッテオ・レンツィ（Matteo Renzi）伊首相を迎えたアンゲラ・メルケル（Angela Merkel）独首相は、「EUからの離脱申請が行われるまで、英国の離脱に関し公式・非公式を問わず交渉は行わないことで一致した」と述べた。

　これに対し、ジョージ・オズボーン（George Osborne）英財務相は先に、第50条の発動は、EUとの今後の関係性について英国が「明確な見通し」を持ってからにすべきだという見解を示していた。

　さらにメルケル首相は、「不確実な期間」を長引かせてはならないと強調し、EUの他の加盟各国内で離脱を促そうとする「分離主義的な勢力」に立ち向かっていくべきだと訴えた。

　またオランド大統領は、迅速に物事を前に進めることが全当事者にとって有益だという考えを示し、英国に対しより単刀直入に、離脱プロセスの発動に向けて「時間を無駄にしない」よう呼び掛けた。

　オランド氏は、「責任を果たすには時間を無駄にしてはならない。英離脱問題への対応で時間を無駄にしないこと、EUに、つまり（EUの現加盟国28か国から英国を抜いた）27か国に提供する必要がある新たな刺激策の策定でも時間を無駄にしないことだ」と語った。

　さらに、「不確実性ほど悪いことはない」「不確実性はしばしば不合理な行動を生み出す。不確実性は金融市場による不合理な行動も招く」と警告した。(c)AFP/Frank ZELLER